2023年3月23日木曜日

126章-1

 空が明るくなって、外では小来が起きて掃除をしたり顔を洗ったりしていた。鳥が鳴き、程鳳台が新しく植えた梅の木に光が当たって、寝室の窓に影が落ちた。商細蕊は程鳳台の腕を枕に、帳に飾ってあった面を被って、その二つの穴から梅の木の影を見ていた。


彼は寧九郎がかつて、庭の梅の木は剪定しなくていいと言っていたのを思い出した。伸びて暴れたものこそがいい。そうでなければ、毎日、以前と同じ影を見て、昔を思い出して悲しくなるから。


商細蕊はそれを聞いたとき何も感じなかったが、今、突然理解した。程鳳台は妻子を連れて行ってしまう。そうして、彼は毎日窓に梅の木の影が落ちるのを見る。そのときが来たら、悲しいだろうか。

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