秋が深まって、范漣も毎日は来なくなった。程美心は子供たちを連れて豊台へ帰り、四姨太太も、子供達と出産を控えた蒋梦萍の世話があり、二奶奶のそばにずっといることはできなかった。そうして最後に二奶奶のそばに残ったのは、商細蕊だった。
程鳳台の経口補湯は効果があり、栄養水の使用は明らかに減った。毎日二奶奶がしなくてはならないことは、薬湯の入った碗をベッドの端に置くことだった。商細蕊がそれをベッドの端から持っていって程鳳台に飲ませる。
そして今回は何口飲んだか二奶奶に告げて空の碗を置く。二奶奶はそれを持っていってまた薬湯を注ぎ足す。この過程で、二人は決して直接手渡すことはなかった。
二奶奶は商細蕊と程鳳台の唇が接するのを何度となく見たが、おかしなことに、心には何の気まずさもなかった。それは程鳳台が彼女の唇にキスしたことがなかったからかもしれない。商細蕊があまりにも男だったからかもしれない。
二奶奶は理性では、商細蕊が娼妓同様の卑しい人物だと分かっていたが、彼の話し方や何かをするようすは、彼女の心の中に長い間留まっていた商細蕊とは結びつかなかった。
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