2023年3月23日木曜日

90章

 家に帰る車の中でずっと、商細蕊は程鳳台の手を固く握って、一言も話さなかった。程鳳台もあえて尋ねなかった。锣鼓巷に着いても、商細蕊は動かず、車から降りず、話もせず、目はまっすぐ前を見ていた。こんなに寒いのに、商細蕊の手は汗ばんでいた。程鳳台は足がかじかむまで座っていて、それから「家に入ろう。な?」と言った。


商細蕊の睫毛が驚いたように突然跳ね、指先が震えた。商細蕊は今とても弱っていて、悔しくて、心が砕けていた。大人にいじめられた小さな孤児だった。程鳳台はひどく心が痛んで、長いこと額にキスして、やっと車から降ろすことができた。商細蕊は部屋に入ると、死人のようにベッドに横たわった。


いずれにせよ今日は家に帰ることはできない。程鳳台は上着を脱いでベッドに入ると、商細蕊を抱きしめてやさしく囁いた。「商老板、どうしたんだ?少し話そう」

商細蕊はきつく眉根を寄せて、一言も言わない。程鳳台は彼が殴られたのではないかと心配になり、彼の肩と背中をそっとさすった。商細蕊は程鳳台の肩を枕にして、黙っていた。


突然、深い息をつき、起き上がって程鳳台に馬乗りになった。夜の星のように燃える目で彼を見下ろした。


危険に気づかず、程鳳台は商細蕊の頭の後ろを叩いてやさしく言った。「ちゃんと寝て。布団に風が入る」


商細蕊は程鳳台を突然うつ伏せにひっくり返し、本人が気づくより早くズボンを下ろした。程鳳台の手首をつかみ、自分の半分硬く半分柔らかいものを彼の尻の間に当てて何度か無理矢理に突き、もう片方の腕を背中に強く押しつけた。程鳳台は頭が爆発しそうだった。なぜ一瞬の間におとなしいウサギが狂った驢馬になったのか分からない。少しも準備ができていない。まったくの不意打ちだった。100キロもある大男にのしかかられているように、程鳳台は喘ぎ、威嚇の言葉をいくつか口にしたが、商細蕊の耳には届かなかった。


商細蕊が今欲情するなどありえない。彼はただ、心にある天を衝くような怒りを発散させたいだけだった。そして近くにいる誰か、親しい誰かが割を食わなくてはならなかった。


半分柔らかいものは擦られてやっと硬くなり、精を放って程鳳台の下半身を汚した。程鳳台はしょせん細い手足をしたお坊ちゃんで、いったん商細蕊に関節を押さえられてしまうと、まったく抵抗できなかった。無駄にもがき、その力はすべて商細蕊によって溶かされた。


商細蕊は荒い息をしながら、程鳳台の耳に口を近づけた。それは狼が土の中の食べ物を探しているかのようだった。程鳳台のシャツの襟を歯で少し裂いた。首を噛んでもおかまいなしだっただろう。


しかし程鳳台は大嵐を乗り越えてきた人間だった。戦うことはできなくても、彼はすばやく平静を取り戻し、低い冷たい声で言った。「商老板、君は面白くないんだろう。しばらく君の話し相手をしてやる。もし君が私を怒りのはけ口として扱うなら、私たちに次はない。冗談で言ってるんじゃないぞ」


何年か一緒にいて、程鳳台は商細蕊を扱うコツを知っていた。商細蕊は程鳳台が罵ったり殴ったりしても怖がらない。しかし程鳳台が顔をこわばらせ、見知らぬ人のように冷たい態度を取ると、彼は不安で怖くなる。


程鳳台の声を聞いて、狂った怒りの中で考えて、ゆっくりと動きを止めた。そこに固まって長い間躊躇して、それから悲鳴のような泣き声を上げた。




0 件のコメント: