楚琼华という有名な役者が、引退してある男の男妾となり不自由なく暮らしていたが、最近その男が政治的な理由で軟禁され、楚琼华も失踪した。楚琼华は気性が激しく、すぐ人を怒らせていたので、男の家族が機に乗じて殺害したのではないかとみんなが言った。それを聞いた程鳳台は商細蕊に「楚老板のことを考えると、私について来るのは怖くないか」と聞いた。
「怖くないよ」と商細蕊は言った。「だってあなたが私についてくるんだから」
程鳳台は驚いた。商細蕊の方が子どもっぽく、程鳳台に頼っているのは明らかだった。「なぜ、私が君についていくんだ?」
商細蕊は真面目に答えた。「私のほうが腕があるから。腕のない人は腕のある人についていく。腕のある人はない人を守る。だから、あなたはついてくる方だ」
程鳳台はさらに驚いた。「君の方が私より上?」
「そうだよ。あなたの商売は范家と曹司令官頼りだろ。それのどこが技術? 私は違う。私は歌えるから、どこにいようと商売ができる。通りに出て地面に円を描いて、喉を開けばお金になるんだ」
商細蕊はズボンのポケットを叩いて言った。「私はお金持ち」
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